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第36回全国大会を考える (2002年12月22日)

最終選抜戦の組み合わせと大会後のポイント調べ
ポイント制三つ巴戦にもつれ込んだ理由(後でビデオを参考にした点数)

第1試合
下澤 猛(20点) × 真田英生(130点)=真田英生五段第2試合
江口慶貞(80点) × 伊藤秀敏(10点) =江口慶貞五段第3試合
江口慶貞(100点) × 下澤 猛(0点) =江口慶貞五段第4試合
伊藤秀敏(90点) × 真田英生(70点) =伊藤秀敏五段第5試合
伊藤秀敏(210点) × 下澤 猛(20点) =伊藤秀敏五段第6試合
真田英生(0点) × 江口慶貞(0点) =引き分け
この結果からみると下澤 猛四段は一回も勝っていなく、伊藤秀敏五段と真田英生五段と江口慶貞五段の比較をした場合、伊藤秀敏五段は真田英生五段に勝っているが江口慶貞五段に負けている。真田英生五段は伊藤秀敏五段には僅差で負けているが江口慶貞五段には負けていない。 大会会長としてこれで「一位、二位、三位」の差は考えられない。ポイント制度自由組手大会を実施し明確な勝敗で決着をつけなくてはならないと判断した。
 これは妥当の判断であると考える。


一 位 、 二 位 、 三 位 決 定 戦(二分)
第1試合
真田英生(10点) × 江口慶貞(30点) =江口慶貞五段第2試合
伊藤秀敏(100点) × 真田英生(70点) =伊藤秀敏五段第3試合
江口慶貞(20点) × 伊藤秀敏(0点) =江口慶貞五段

一 位 、 二 位 、 三 位 の 技 術
「単純・複雑な攻撃技、複雑な受け、2拍子・1拍子受即攻技、カウンター技」という無門会空手技術からすると伊藤秀敏五段は主武器は「2拍子受即攻技+アルファ+未成熟技術」、真田英生五段は「カウンター技+アルファ+未成熟技術」、江口慶貞五段は「単純・複雑な攻撃技+2拍子受即攻技+アルファ+未成熟技術」である。この3人の戦いの技術構造は、3人同士ここ4〜5年深く研究し合った中でのこの技術である。 ポイントの差はほとんどが「上段逆突き」のポイントで得た差である。複雑な蹴りや順突き、追い突き、複雑な攻撃といった余分な技はほとんどなくなり「上段逆突き」を当てるか?、それを「受即攻」できるか?…といった人間の極限の技術の戦いが中心になる。
今回の第1試合 真田英生(10点) × 江口慶貞(30点) =江口慶貞五段は、カウンター技術の真田の動きを用心して、一気に真田の懐(ふところ)に飛び込んで飛び込み順・逆上段突きでポイントを取った江口に軍配が上がった。これはここ数年江口慶貞五段の勝利方法となっている。 第2試合 伊藤秀敏(100点) × 真田英生(70点) =伊藤秀敏五段は、ふだん二人稽古が多い中で技術を知り合った中だけに互角の戦い、延長をしながら、最後にカウンターを決めた伊藤が勝利したが、点数をリードされながら落ち着き最後に度胸よくカウンターを決めた伊藤に軍配が上がった。 第3試合 江口慶貞(20点) × 伊藤秀敏(0点) =江口慶貞五段は、選抜戦、最終選抜戦で下段回し蹴りで軸足刈りをやり下半身の弱さをつきながら、2拍子の堅い受即攻技を下半身攻撃で注意を下にも向けさせ、2拍子の受即攻の反応の遅さをうまくつき、受けに風穴をあけて「上段逆突き」を決めた。 圧倒的な差ではないにしろ、江口慶貞五段の攻撃を、さらにそれを上回った攻撃・カウンター・受即攻で切り崩せなかった伊藤秀敏五段、真田英生五段が二位、三位となった。


主 な 大 会 参 加 選 手 の 総 合 評 価 (昇段審査)
●A コ ー ト
 真田英生五段:中位戦では若松勝彦二級、田上浩永二級、古川恭司五段、棟方尚登三段、光島道郎三段、総本部大西秀憲初段、下澤 猛四段、小原正弘四段、赤木伸行二段の9人と戦い、十分体をこなしている。上位戦では棟方三段、下澤四段、古川五段の三人と戦い、若手選手、中位陣、上位陣と戦いAコート選抜戦、総合選抜戦へと進んでいる。中位、上位は無難に戦い、Aコート選抜戦からターボをかけてAコートのトップの実力を示した。しかし総合選抜戦では伊藤秀敏五段、江口慶貞五段にやや苦戦し、三位となった。課題はいろいろあるが、自力で一拍子の組手を組み立てる面での課題が大変である。真田五段の戦いの構造にここ数年注目がわくであろう。中位戦、上位戦は下澤四段戦と同じやや攻撃をセーブしてAコート選抜戦から一気に引き離しを計ったようである。しかし1位2位3位決定戦では伊藤秀敏五段にカウンター、江口慶貞五段には飛び込み順・逆上段突きをまたしてもやられた…という感じである。十分な江口対策は築いていなかったということであろうか、古川恭司五段との戦いも課題があった。2003年の対策はこうした課題考えなくてはならないであろう。古川恭司五段:中位戦では田上浩永二級、真田英生五段、喜井健二四段、向井郁雄初段、光島道郎三段、福岡県大西秀憲初段、棟方尚登三段と戦った。上位戦では光島道郎三段、棟方尚登三段、真田 久留米支部 英生五段と戦っている。Aコート選抜戦では下澤 猛四段、棟方尚登三段、真田英生五責任者段と戦い、総合選抜戦選出では下澤 猛四段とポイントを競い10点対70点で敗北している。中位戦の組み立ては突き・蹴り得意の田上二級、3重の攻撃・カウンターの真田五段、上段逆突きの喜井四段、光島三段、蹴りの向井初段、突き・蹴りの大西初段、激しい攻撃の棟方三段とバランス良く組み立てた。上位戦は光島三段、棟方三段、真田五段の三人、悪い組み合わせではないが、やはり下澤 猛四段との対戦が無いのは残念である。中位、上位までは古川五段は「高度な受即攻技」を駆使し順風満帆に活躍していた。総本部の西村敏男二級は古川五段の動きを「自分の『理想の空手』です。」と大会後にわたしに言ったが、下澤 猛四段戦以外は確かにそうであった。今後変化の多い、多彩な攻撃をする下澤四段…といった選手に用心しなくてはならない。考えてみると江口慶貞五段のように関西大会にでてふだん当たらない選手と対戦し、技を研究するのも良いかもしれない。しかし今回の対真田英生戦は良く研究しているが更なる研究が必要であろう。喜井健二四段:中位戦では大西秀憲初段、古川恭司五段、下澤 猛四段、畑 泰四段、佐々木一広二段、三重県岡村三郎三段、西村敏男二級…といった新人から五段まで総合的に戦った。上位戦では 津支部畑 泰四段、小原正弘四段、光島道郎三段の三人と戦った。喜井四段は深い前屈立ち幅責任者の「寸止め空手と無門会空手の融合型」としての戦い方をしているが、基本は光島道郎三段が五〜六年年前に築いた技術であり、中部地方の無門会空手の中心技術となっている。素早い上段逆突きを切り崩せるのは現在無門会空手の五段レベルしかできないくらい多くの選手に通用する技術である。彼は今回韓国のサッカーの監督の言った言葉を象徴し「負けても良い、負けの中にこそ勝利への道がある…」といった言葉を引用したが、いままでなかなか試合に参加しなかったのは「敗北することにためらって」いたのかもしれない。しかし第六回関西大会(2002年7月)で江口慶貞五段と戦った内容も深かったし、「攻撃技、複雑な受け、受即攻技」のバランスが良い。相手から大きな攻撃は決してもらわないというベテランの強みがあり、選抜に入る実力は常にある。今後はさらに新たに進展をする戦い方をする動きに期待したい。しかし試合巧者ながら受即攻技・カウンターに課題があるようにみえる。しかし光島道郎三段との戦い内容は非常に濃くやはりここ数年の上達は大したものである。

 下澤 猛四段:中位戦では赤木伸行二段、大西秀憲初段、真田英生五段、喜井健二四段、田上浩永二級、神戸支部小原正弘四段、畑 泰四段、浦川裕幸三段、上位戦では大西秀憲初段、畑 泰四段、真田英生五段と戦っている。Aコート選抜戦選考試合では光島道郎三段と激闘し50点対130点という差で勝利し、Aコート選抜戦、古川恭司五段、棟方尚登三段、真田英生五段と内容の濃い試合をして、古川恭司五段にはポイント的には勝利していた。総合選抜戦には真田英生五段は文句無く選ばれたが、古川恭司五段と下澤 猛四段は「決着」を付けるために「総合選抜戦選考試合」をポイント制で行うことになった。わたしは古川恭司五段に再チャンスを与えることによってやや遅い上段逆突きを受即攻し文句無く古川五段が勝利するかと思ったが、この試合は「古川五段(10点)×下澤 猛四段 (70点)=下澤」という形になった。総合選抜戦では真田五段、伊藤秀敏五段、江口慶貞五段の壁は厚かったが、今後の彼の飛躍を期待したい。上位戦真田英生戦では一歩も引けを取らない「攻撃技、複雑な受け、受即攻技、カウンター技」をしていたが、この技術を積極的に伸ばすべきであろう。しかし今回の江口慶貞五段、伊藤秀敏五段、真田英生五段、古川恭司五段といったそうそうたる選手に対等以上に戦ったことにたいして五段を認可して一層の発展を願うものである。下澤 猛四段==『 五 段 認 可 』

 畑 泰 四段:中位戦では福田芳勝二級、岡村三郎二段、北形正美三段、下澤 猛四段、神保慎二二級、川崎支部喜井健二四段、周防高志二段、野田和伸初段、上位戦では喜井健二四段、小原正弘四段、下澤 猛四段の3人と戦っている。中位戦下澤四段との戦いでは均衡の取れた戦い方をしていた。今回対戦相手は比較的おとなしい選手を組み立てたので下澤四段以外は畑四段は比較的安定した戦いをしている。上位戦で再選した下澤四段戦では下澤四段のラフな突き・蹴り攻撃にややてこずった。特に下段回し蹴り攻撃に甘い。完成度が高い組手なだけにラフな攻撃にうまく対処してもらいたい。さらにはパワーをつければ申し分がないのであるが。小原正弘四段:中位戦では赤木伸行二段、向井郁雄初段、真田英生五段、石崎光洋三段、光島道郎三段、仙台支部下澤 猛四段、大西秀憲初段の7人、上位戦では赤木伸行二段、畑 泰四段、喜井健二責任者四段と戦っている。中位戦では数試合で上段逆突きが切れ味が戻りつつある光島道郎選手にラフな戦いになってしまったが上段逆突きで勝負したら良かったかもしれない。今回調子が良い赤木伸行との戦いでは赤木二段の上段逆突きに対抗した受即攻技にも課題があった。下澤四段戦では両者無駄な動きが少なく良かったが、両者は上段逆突きが課題があるが内容の濃い試合であった。ただ今回ビデオで気が付いたことは上段逆突きの威力が以前よりなかったことである。
 
 棟方尚登三段:中位戦では赤木伸行二段、真田英生五段、古川恭司五段、光島道郎三段、大西秀憲初段、神奈川県浦川裕幸三段、石崎光洋三段、上位戦では真田英生五段、古川恭司五段、田上浩永二級、平塚支部光島道郎三段と戦っている。Aコート選抜戦では真田英生五段、古川恭司五段、下澤  猛四段と戦っている。複雑な攻撃タイプには複雑な攻撃で、きれいな受即攻技スタイルには受即攻技で戦う考えた組手が多かった。中位戦の古川五段戦では、3重の攻撃とラフな攻撃の組み合わせが良かった。受即攻技レベルは古川五段より遅いが、石崎光洋選手戦はやや余裕ある戦いであった。浦川裕幸戦では連続攻撃がうまく功を奏し追撃の右上段回し蹴りが一発きまりKOと相成った。三段クラスの選手に強い。上位戦の光島道郎戦では光島道郎の主武器の上段逆突きをうまくかわし、見切り、受けでかわし逆に上段逆突きで攻めたり、連続攻撃したり投げたりなかなか良い。今回Aコート選抜戦出場は次回からの上位ねらいが十分期待できる。今回三段レベル相手に越えた力量を示した実力を評価し四段に推薦する。 棟方尚登三段==『 四 段 推 薦 』

 北形正美三段:中位戦では植竹雄二二級、岡村三郎二段、周防高志二段、野田和伸初段、福田芳勝二級、金沢支部畑 泰四段、米本正宏二級の7人、上位戦では光島道郎三段の一人と戦っている。中位責任者戦の野田戦では前回受即攻された野田和伸選手が激しい攻撃方に転じた。今回受即攻技富山支部と複雑な受けの半端、組み立てに難があるように思えた。複雑な受け、積極的な受即攻責任者技、カウンターに甘さがある。福田芳勝二級戦では激しい連続攻撃にうまく耐えた。主武器に威力をつけるべき。中位戦の畑 泰四段戦ではやや速い上段逆突き攻撃に結構当てられ受即攻技できなかったが内容が深く濃い試合である。上位戦の光島道郎戦では積極的な攻めが良いが攻撃が失敗した後のホローが弱いように思えが積極的な上段逆突きで勝負に出たのが良かった。また他に感じることはパワー不足である。五十代でパワーを付けることは十分可能であり、スピードを落とさない範囲でパワーも考えてもらいたい。
 
 石崎光洋三段:中位戦では若松勝彦二級、赤木伸行二段、小原正弘四段、浦川裕幸三段、岡村三郎二段、川崎支部喜井健二四段、佐々木一広二段と戦っている。上位戦では向井郁雄初段、大西秀憲初段、赤木伸行二段の3試合。石崎三段は総合としてラフな攻撃に弱いようである。その攻撃に対して決め技がない。中位戦喜井健二戦では見切りと上段逆突きがうまい喜井健二に苦戦しながら良く切り崩して戦った。佐々木一広戦では左前屈立ちも実践した。棟方尚登戦ではラフな攻撃にやや守勢になった。今回いつもの右前屈立ちだけでなく、選手によって左前屈立ちでも戦っていたのでここ一年の努力の成果を感じる。技術の不足はあまり感じないがラフな対戦相手の戦いできれいな勝ち方を期待したい。

 光島道郎三段:中位戦では棟方尚登三段、真田英生五段、古川恭司五段、大西秀憲初段、田上浩永二級、名古屋支部  小原正弘四段、向井郁雄初段の7人、上位戦では古川恭司五段、北形正美三段、喜井健二四段、棟方尚登三段と戦っている。中位戦では大西秀憲と戦い見事に見切られているが、後半やや本来の動きが見えた。やはり上段逆突きの速さは衰えいず逆に進化しているが複雑な動きが少ないように思えた。中位戦棟方尚登戦では得意の上段逆突きがつぶされた。突き・蹴り・投げの応用力ある棟方三段と、光島三段の上段逆突きとの激突であった。上位戦の喜井健二戦では両者上段逆突き同士で熾烈で一瞬の隙を狙う優劣つけがたい勝負になった。上位戦では棟方尚登はさらにラフになり上段逆突きを受けられ、さらに投げにつぶされるシーンがあった。Aコート決定戦ではやや多彩な攻撃技の下澤四段に分があった。この試合でも投げに注意すべきであった。多彩な応用力のある下澤四段に次々とポイント取られた。そうしたことをふくめてテーマの受攻技もこれからの本人理解の課題であろう。
 
 浦川裕幸三段:若松勝彦二級、周防高志二段、石崎光洋三段、赤木伸行二段、棟方尚登三段、岡村三郎川崎支部二段、下澤 猛四段と戦っている。今回浦川三段は惜しかった。中位戦の岡村三郎戦で責任者は複雑な受けと攻撃の組み立てを探っている組手であった。赤木伸行戦では受け技と攻撃技があり良い内容であった。新人の若松勝彦戦では逃げずに真っ向攻撃したほうが良かった。逃げるべき相手、逃げる必要なき相手の区分がまだできていない。また右手にケガをしていたのか右手が下がっていた。今回棟方尚登三段戦でも分かるように逃げの甘さがでていたように思える。攻防の新たな組み立てを期待した。
 
 周防高志二段:中位戦では福田芳勝二級、浦川裕幸三段、北形正美三段、岡村三郎二段、畑 泰四段、札幌支部佐々木一広二段、米本正宏二級、久野伸弘二級の8人、上位戦は選出されていない。中位戦の畑 泰四段戦では畑四段の上段逆突きを受けたり受けなかったりしている。新人米本正宏二級戦では下から来る変化の多い攻撃に構えが崩され場外に出された組手は課題がある、審判に上位戦に選ばれなかった原因かもしれない。逆に米本正宏選手の健闘をたたえるべきか。しかしここ数年身につけた積極的な受即攻技、カウンターが良くなっているが、複雑な攻撃に耐えれないのは課題が残る。
 
 岡村三郎二段:中位戦では福田芳勝二段、畑 泰四段、周防高志二段、石崎光洋三段、喜井健二四段、千葉支部浦川裕幸三段、神保慎二二級、北形正美と戦っている。上位戦では西村敏男二級、岡村三郎二段の二人対戦した。中位戦の石崎光洋戦では右前屈立ちで威力ある攻撃を受け・受即攻技したのは実力は上がったということである。この一年伸びた。小原正弘四段戦では積極的な攻めが良い。受けも良かった。練習の成果抜群である。また積極的な攻撃逃げが良い。石崎光洋戦では右前屈立ちで戦った。今までとは違った強さがあった。 毎年期待できる選手である。
 
 赤木伸行二段:下澤 猛四段、佐々木一広二段、浦川裕幸三段、若松勝彦二級、石崎光洋三段、棟方尚新宿支部登三段、小原正弘四段、上位戦では小原正弘四段、石崎光洋三段の二人。積極的な攻めが良い。中位戦浦川裕幸戦では順突き、積極的な上段逆突き良かった。上段逆突きはさらに進化する可能性がある。下澤四段戦ではお互いラフな攻撃に体が激突シーンが有り後ろに倒れた。両者激闘と言って良い。佐々木一広戦ではお互い積極的な攻めが良かった。第六回関西大会から赤木二段は急激に実力が伸びている。戦いに余裕すら感じるのである。今後相当伸びる選手になることは間違いないであろう。

 佐々木一広二段 :中位戦では赤木伸行二段、野田和伸初段、喜井健二四段、周防高志二段、若松勝彦二級、埼玉坂戸支部 向井郁雄初段、石崎光洋三段、上位戦では赤木伸行二段、岡村三郎二段の二人と戦った。「攻撃技、複雑な受け、受即攻技」総合力は良いが決め技がまだない。しかしワン・ツウ連続攻撃が良い。中位戦古川五段戦でもワン・ツウ連続攻撃良かったが、受けに課題がある。さらにはカウンター有効、連続攻撃良かった。中位戦の石崎光洋戦では受即攻技・連続攻撃よかった。新人若松勝彦二級戦ではお互い蹴りが上手で決めれなかった。さらに中位戦赤木伸行戦では突き・蹴りを終始攻撃し、赤木伸行選手を受即攻技の構えを崩している。上位戦の岡村三郎戦では両者「攻撃技、複雑な受け、受即攻技、カウンター技」バランスがとれている内容のある試合。佐々木学四段、神前卓己二段といった業師と練習しているせいかもしれない。しかし全国大会はそうした選手以外と戦うのが当たり前なので積極的に合宿や大会に参加し苦手な相手を無くす努力が必要であろう。
 
 大西秀憲初段:中位戦では田上浩永二級、棟方尚登三段、真田英生五段、光島道郎三段、浦川裕幸三段、神崎川支部  下澤 猛四段、小原正弘四段、喜井健二四段の8人、上位戦では下澤 猛四段、石崎光洋三段、向井郁雄初段の3人と戦っている。中位戦の真田英生戦では、互角勝負に近い。ただ引き気味の攻撃で上段逆突きをやったあと、すぐ後ろにさがったのは、練習回数がすくないせいかも知れない。しかし逃げの反応は良いのは相手の攻撃に注意したからであろう。中位戦の喜井健二戦では、見切り上手の両者、お互いの攻撃をうまくかわし合う。古川五段戦では相手を見過ぎた。もう少し積極的であっても良い。棟方尚登三段戦では棟方三段の攻撃でも届かぬ見切り、さすがに懐(ふところ)が深い。小原正弘四段戦では均衡した試合であった。上位戦の下澤四段、石崎三段、向井郁雄初段との戦いは流れがやっとでたな…というところで終えた感じである。今回インタビューで上位戦でもう少し試合をしたかったという意見があったが、その通りである。才能があるだけに真田英生五段、古川恭司五段といった高段者とも戦わせたかった。惜しい気がする。

 野田和伸初段:中位戦では西村敏男二級、畑 泰四段、山田修希二級、北形正美三段、佐々木一広二段、神崎川支部  福田芳勝二級、神保慎二二級、米本正宏二級、上位戦はない。北形正美戦では積極的な連続攻撃を発揮し受即攻技されないように努力していた。福田芳勝戦では構えを崩してくるラフな攻撃を受けたりしているものの切り崩されたりしてさらなる努力が必要である。全体的には単純・複雑な攻撃技、複雑な受け、2拍子・1拍子受即攻技、カウンター技をさらに磨き威力をつけなくてはならない。向井郁雄初段:中位戦では小原正弘四段、古川恭司五段、光島道郎三段、石崎光洋三段、若松勝彦二級、多摩支部佐々木一広二段、上位戦では石崎光洋三段、大西秀憲初段の2戦。中位戦の古川五段戦では速い突き・蹴りであるが結構受けられていた。速いが攻撃の約束自由一本組手の練習不足で相手に「攻撃の気」が見えたということか。突き・蹴りに威力はあるものの蹴りと突きとの連続攻撃の組み合わせが課題である。若松勝彦戦では威力ある蹴りを「逆三角形受け」で受けられている。今回主武器の上段逆突きが大会前のケガで使えなかったのは残念である。まだまだ数倍実力が伸びる選手だけに積極的に合宿や大会に参加してもらいたいものである。
 
 福田芳勝二級:中位戦では周防高志二段、北形正美三段、野田和伸初段、久野伸弘二級、畑 泰四段と総本部戦った。野田初段戦では積極的な攻めで相手を幾度か追い詰めた。また北形正美戦でも橋本支部積極的なまた攻めが非常に良い。しかし連続攻撃はあるものの一撃必倒、一撃必殺の攻撃力がないのが残念である。とくに上段逆突きの威力を高めてもらいたい。田上浩永二級:真田英生五段、古川恭司五段、大西秀憲初段、光島道郎三段、下澤 猛四段、若松勝彦総本部二級、大田和宏二級、久野伸弘二級と戦った。上位戦では若松勝彦二級、米本正宏二級、橋本支部佐々木一広二段と戦った。中位戦の若松勝彦二級戦は見ものである。また中位戦の久野伸弘二級戦では猫足立ち気味の久野二級に対して終始余裕のある戦い方をしていた。上位戦の若松勝彦二級戦では突き技中心で、大きな攻撃を食らわない余裕の組手であった。上位戦の佐々木一広戦ではお互い連続攻撃の応酬であったが、決め技がない試合であった。技が多彩であるが決め技、特に上段逆突きやカウンターに磨きをかける必要がある。
 
 西村敏男二級:山田修希二級、野田和伸初段、神保慎二二級、喜井健二四段、畑 泰四段、米本正宏二総本部級と戦った。上位戦では大田和宏二級、岡村三郎二段と戦い、Aコート新人王決定戦では若松勝彦二級と戦いチャンスをつかむ実力がある。年齢からいって取得は妥当であろう。一撃必殺性はまだないが精神的に負けていない。総合最優秀新人王決定戦では佐々木彰二級と戦ったが寸止め空手特有の飛び込み順突きの動きをつかまれ一発逆転の「カウンター」をもらった。寸止め空手の良さと欠点が同居している。畑 泰四段戦では畑 泰四段の技術の高さが目立った。なかなか畑 泰四段の構えを崩せない。受即攻技、攻撃対決と言うような感じ。上位戦の大田和宏二級戦では、飛び込みの突きが良く決まった。上位戦岡村三郎戦では苦戦はするものの積極的な攻めが良い。洗練されてきた攻撃が目立った。Aコート新人王決定戦では若松勝彦二級と戦い激しい攻防の試合で良い試合であった。課題としては上段逆突きを一撃必倒、一撃必殺まで高めることであろう。
 
 若松勝彦二級:中位戦では石崎光洋三段、真田英生五段、赤木伸二段、佐々木一広二段、田上浩永二級、神崎川支部  向井郁雄初段、久野伸弘二級、浦川裕幸三段と戦った。上位戦では田上浩永二級、大田和宏二級と戦った。全体的にはフルコン系空手出身なので前半蹴りに頼るのが欠点であった。中位戦の田上浩永二級戦では相手に良く攻撃している。石崎光洋三段戦では蹴りからの突きが効果があった。また鋭い蹴りの向井郁雄初段戦では蹴り対する受けに余裕あった。浦川裕幸三段戦では積極的な攻めが良かった。上位戦の大田和宏二級戦では蹴りからの突きが良い。間合いが離れた相手には蹴り、突きが良いのかもしれない。上位戦の田上浩永二級戦では決め技がないものの攻防一体化した良い試合であった。今回の大会では総合最優秀に選ばれる可能性が高いと思っていたが、残念であった。威力も戦いの構造も非常に良いので大いに期待したい。

 神保慎二二級:中位戦で植竹雄二二級、野田和伸初段、西村敏男二級、畑 泰四段、大田和宏二級、岡富山支部村三郎二級と戦った。中位戦では高校生の久野伸弘二級選手を問題にしない戦いぶりを示した。激しい一撃必殺のあるパンチ攻撃が良い。相手を吹き飛ばす良さがある。前屈立ちも前傾姿勢の形が良い。久野選手も戦うのがいやになるくらい迫力ある。ケガをしなかったら今回の新人王になる可能性もあった。滝口教雄二級戦は受けが甘いもののやはり上段逆突きの動きが良い。米本正宏二級戦では連続攻撃プラス投げが良い。しかし足を痛めたのは残念であった。威力のあるが戦い数が少ない神保二級のような選手は予測ができない不自然な動きに弱くケガをしやすいので基本の突き・蹴りをしっかり練習して握りや蹴りの正しい形を普段の稽古で学び取らなくてはならない。しかし今後相当期待できる選手である。
 
 久野伸弘二級:福田芳勝二級、周防高志二段、植竹雄二二級、山田修希二級、若松勝彦二級、田上浩永埼玉大宮支部 二級と戦った。神保慎二二級戦では一撃必倒が不足している分だけ苦戦した。また田上高校生浩正二級戦では猫足立ち気味で上段逆突きが浅くなり相手に効果が得られず相当押され気味であった。同じ高校生同士の山田修希四級戦では激闘したものの両者一撃性がないので軽い打ち合いが多かった。一撃必倒性がほしい。植竹雄二二級:神保慎二二級、久野伸弘二級、山田修希二級、北形正美三段、周防高志二段、大田和宏千葉支部二級と戦った。周防高志二段相手に積極的な攻めが良い。カウンター、受即攻技スタイルの周防高志選手の受けの甘さをつきドンドン攻めた組手は積極的で内容の良いものであった。今後は体力、年齢に合う組手体系を築けばさらに内容の良い試合ができるであろう。
 
 滝口教雄二級:中位戦では大田和宏二級、岡村三郎二段、米本正宏二級、神保慎二二級、西村敏男二級、大阪福田支部 古川恭司五段と戦った。神保慎二二級戦では何かがふっ切れたか、組手内容が良くなった。西村敏男二級戦では右前屈立ちで戦ったが決め技がないのが残念である。問題は突き・蹴りに伸びがないということである。岡村三郎二段戦では両者右前屈立ちで戦った。岡村二段の喰い込みある攻撃とやや浅い攻撃の滝口二級の戦いとなり、やや苦戦。古川五段戦では受けが堅く連続攻撃が出来ずじまい。ラフに動いたら新たな展開が有ったかもしれない。
 
 大田和宏二級:中位戦では山田修希二級、田上浩永二級、神保慎二二級、米本正宏二級の4人と戦った。三重支部上位戦では米本正宏二級、西村敏男二級、若松勝彦二級と戦った。山田修希二級戦では最初からどんどん積極性に攻めて内容が良かった。田上浩永二級戦では積極的な攻め良いが、逆に前蹴り、後ろ回し蹴りを結構やられた。受けに甘さがある。米本正宏二級戦では攻撃は良いがつかまえて戦おうとするのは一撃性に自信がないからか。上位戦の大田選手と米本正宏二級戦では両者が前傾姿勢が良く両者内容の良い戦いとなった。上位戦の西村敏男二級戦では一撃性がないのが目立った。上位戦若松勝彦戦では積極的な飛び込み攻撃ができなかったのが残念である。今後は受けと攻撃のバランスが必要である。米本正宏二級:野田和伸初段、福田芳勝二級、北形正美三段、周防高志二段、大田和宏二級、神保慎二千葉支部二級と戦った。中位戦の神保慎二二級戦では左手を顔面左横において常に防御の姿勢があったが組手経験があることが伺えた。神保二級はこの戦いで足を痛めた。中位戦西村敏男戦では、見られる空手をされて苦戦した。上位戦の大田和宏二級戦では激しい攻撃をする大田二級に対し受けの甘さが目立った。また田上浩永二級戦では下段回し蹴りに足を痛める。積極的な攻撃は良いが、受けがうまくなったら一層強くなる。山田修希二級:野田和伸初段、久野伸弘二級、植竹雄二二級、大田和宏二級、西村敏男二級と戦った。金沢支部 山田二級は高校生ながら成人一般部相手に十分過ぎるくらい十分戦った。高校生同士久高校生野伸弘戦では、ベテランの久野伸弘選手相手にに打たれながらも打ち返す気迫があった。大田和宏二級戦ではやや受け身ながら攻撃が積極性が出ていた。体も大きいので一層一撃必倒、一撃必殺性と受けを磨いたら強くなるに違いないが高校生の戦い方としては申し分がない。

●B コ ー ト
 江口慶貞五段:中位戦では伊藤秀敏五段、水谷正人三段、山田啓祐三段、江田哲郎二段、木津弘隆二級、千葉支部福田好信三段と戦った。上位戦では巣山政信二段、水谷正人三段、伊藤秀敏五段の3人責任者と戦い、Bコート選抜戦では、伊藤秀敏五段、江田哲郎二段、水谷正人三段と戦い、総合選抜戦では真田英生五段、下澤 猛四段、伊藤秀敏五段と戦い、さらには一位、二位、三位決定戦では真田英生五段と伊藤秀敏五段と戦い、総合でトップとなり優勝した。B2の山田啓祐戦ではやや余裕。金的、上段逆突きを決めるが一撃必倒では決められない。今回の戦いで戦いづらい選手は山田啓祐三段と江田哲郎二段であろう。江田三段とは第五回関西大会(2001)、第六回関西大会(2002)と戦っているので戦いづらいが対処はできた。山田三段とは一年に一回か二年に一回ぐらいしか対戦できないので今後も戦う回数が少く苦手意識が続行するかも。伊藤秀敏五段とは中位、上位戦、総合選抜戦と戦い上段逆突きを幾度か喰らい余裕はない戦いであったが、一〜三位決定戦では今までの中で最高の試合をした。伊藤五段はこのままでは絶対に勝てないというような内容であった。真田英生五段に飛び込み順・逆上段突きで勝ったが、余裕で勝ったという内容ではなかった。下澤 猛四段との戦いは多彩な攻撃力をもつ下澤四段も動きを押さえられ太刀打ちできなかった。江口五段の最近の思考は無門会空手の動きを素直にする選手は非常に戦いやすく、無門会空手と他流派を融合した複雑な攻撃をする選手は戦いにくいということであった。当然といえば当然の弁であるが、江口慶貞五段が複雑な受け技、受即攻技がまだ完成されていないということであろう。しかし「全国大会6回の優勝」は見事なものである。今回ライバルの伊藤秀敏五段、真田英生五段、古川恭司五段と相当実力と実績に差が開いてしまった。今回この力量の差を明確にするために六段を認可して今までの優秀な実績と力量を高く評価し、ライバルの追撃に備えてもらいたい。 江口慶貞五段==「六 段 認 可 」

 伊藤秀敏五段:中位戦では波多裕行二段、福田好信三段、江口慶貞五段、水谷正人三段、山田啓祐三段、総本部江田哲郎二段、木津弘隆二級、神前卓己二段と戦った。上位戦では谷山繁隆初段、佐々木学四段、江口慶貞五段の3人と戦い、Bコート選抜戦では江口慶貞五段、水谷正人三段、江田哲郎二段と戦った。総合選抜戦では江口慶貞五段、水谷正人三段、江田哲郎二段と戦い、さらには一位、二位、三位決定戦では真田英生五段と江口慶貞五段と戦い、総合で第2位となり準優勝した。中位戦の江口慶貞五段とは大した打ち合いなし。探り合いという感じであった。福田好信三段戦では福田三段がロクに攻撃ができないくらいしっかりした構えを築いていた。一撃必倒ある選手とない選手との差であろう。また上段逆突きの達人、水谷正人三段戦では受即攻が可能なくらい良い受即攻をみせた。しかし江口慶貞五段では上位戦、決定戦では二回下段回し蹴りをもらい倒れたモロさがあった。しかし今回の総合選抜戦ではAコートで古川恭司五段に勝利してのぼり詰めた下澤猛四段を江口慶貞五段ですら一回もできなかった圧倒的な受即攻技で三回も受即攻した大変な実力を見せた。対戦相手によっては大変な実力の差をみせることができることを証明した。しかし江口慶貞五段にはもはや勝てなくなってきているのか今後の大きな課題であろう。

 佐々木学四段:中位戦では梅田聡春二段、巣山政信二段、内田将人二級、真田宇一朗三段、水谷正人三埼玉坂戸支部 段、高木宏司四段、江田哲郎二段、真田宇一朗三段、藤川 尚二段、古山虎男二級と戦った。上位戦では波多裕行二段、伊藤秀敏五段、江田哲郎二段と戦った。Bコートベスト4選抜選出三つ巴戦では山田啓祐三段、水谷正人三段と戦った。古山虎男二級戦では業師であることをみせつけたが逆に一撃必殺性がないのが証明された。梅田二段戦では素早い梅田選手の攻撃を打たれずを打つ戦いをみせた。上位戦の伊藤秀敏五段戦ではやはり上段逆突きにやや押され気味であった。堅い受即攻の構えを切り崩しができなかった。さらに上位戦では江田哲郎戦では二段連続攻撃に弱いことが証明された。明確な対処策がないように思える。「打たれず相手を打つ」という戦い方は基本的に正しいがもう少し力強さが有っても良い。

 高木宏司四段:中位戦では田中良平二級、加藤 勝一級、真田宇一朗三段、梅田聡春二段、佐々木学四総本部段、波多裕行二段、神前卓己二段と戦った。上位戦では高木克彦初段、江田哲郎二段、佐々木彰二級と戦った。中位戦の波多二段戦では波多二段への飛び込み順・逆上段突きが非常に良かった。しかし得意の上段逆突き狙いがかわされる。間合いの取り方に問題がある。谷山繁隆戦では後屈立ち構えに対して戦いにくく的を絞れなかったのが残念である。中位戦では梅田聡春戦ではなかなか技が決まらず、逆に梅田聡春の上段逆突きがきまる。神前卓己二段戦では受即攻構えの上段逆突き勝負のよい戦いであたった。上段逆突きが良く決まったが、しかしカウンターもくらう、上位戦の江田哲郎二段戦では上段逆突きが通用しなく、逆に受け切れずに順突き数発もらっていた。上段逆突き攻撃のみに頼りすぎ相手を切り崩す技術に課題があった。しかし軽・中量級のトップの実力があることは間違いない。伊東 団四段:中位戦では田中良平二級、梅田聡春二段、藤川 尚二段、今 悟二級、佐々木彰二級、新潟支部高木克彦初段と戦った。上位戦はない。中位戦では今 悟二級戦では相手を見る。責任者中位戦の新人王の佐々木彰二級戦ではどんどん前に出てくる相手にどんどんうたれるのはさがる技術が不足しているように思える。藤川 尚戦では相手が受即攻技タイプなので、落ち着いた試合で内容は非常に良い。総合的にみて複雑な攻撃に対するひとつひとつの正確な受けがなく、構えた受けの手の隙間から攻撃をもらうことが多い。以前から言っているように複雑な受けと受即攻技を重要課題として身につけなくてはならない。

 福田好信三段:中位戦では山田啓祐三段、伊藤秀敏五段、江口慶貞五段、巣山政信二段、古山虎男二級、総本部木津弘隆二級と戦った。上位戦はない。B2中位戦では伊藤秀敏五段戦では相手に動きを冷静に見られ攻撃しながら後ろにさがる悪いパターンになっている。B2中位戦の、巣山政信戦では下段回し蹴りや順突きを決めているがせっかくの攻撃も浅いので効果があまりない。B2中位戦の江口慶貞五段戦では複雑な攻撃をしようとするがきまらず江口五段の構えや迫力に圧倒され逃げ回っていた。人並み以上の体格をもっているのであるからその体力を存分に発揮してもらいたいものである。

 水谷正人三段:中位戦では谷山繁隆初段、山田啓祐三段、伊藤秀敏五段、佐々木学四段、木津弘隆二級、名古屋支部  真田宇一朗三段、江田哲郎二段、江口慶貞五段と戦った。上位戦では今 悟二級、木津責任者弘隆二級、江口慶貞五段、真田宇一朗三段と戦った。Bコートベスト4選抜選出三つ巴戦では山田啓祐三段、佐々木学四段と戦い両者に勝利し、Bコート選抜戦では江口慶貞五段、伊藤秀敏五段、江田哲郎二段と戦った。中位戦の、後屈立ちの谷山繁隆二級戦では左手を高く構えられたので、上段逆突きができず、順突きから金的攻撃といった攻撃パターンを変えて戦った。因縁の山田啓祐三段戦ではお互い決め技の上段逆突きが良く、頑強な山田の構えを崩す場面があった。が逆に相手の上段攻撃の連続攻撃に弱い。中位戦の、伊藤秀敏五段戦では上段逆突きあたらず、受即攻技される。真田宇一朗三段戦では上段逆突き勝負となり打ったり打たれたりの試合が多かった。伊藤秀敏五段戦では得意の上段逆突き攻撃受即攻技される場面があった。江口慶貞五段戦では1〜2回上段逆突きを相手の前手を下に降ろして上段逆突きをしたりして江口五段の受即攻はなかった。佐々木学四段戦では受即攻技構えの上段逆突き勝負が決まる。上段逆突きの伸びは佐々木学四段より良い。江口慶貞五段戦では「胴回転後ろ回し蹴り」や速い多数の上段逆突きをもらい動きを見られた水谷正人選手。しかし他の蹴りは当たらない。総合的に観て高度な上段逆突きを所有しているが、その動きをさらに進化させて江口慶貞五段すら対処できない域まで高めてもらいたい。

 山田啓祐三段:中位戦では波多裕行二段、神前卓己二段、伊藤秀敏五段、江口慶貞五段、福田好信三段、福岡県水谷正人三段、内田将人二級と戦った。上位戦では巣山政信二段、木津弘隆二級、柴田久留米支部  英吉二段と戦い「Bコートベスト4選抜選出三つ巴戦」では水谷正人三段、佐々木学四責任者段と戦った。中位戦の猫足立ちの内田将人二級戦では山田啓祐三段の上段逆突きの圧力のすごさがあった。相手によって一撃必倒、多撃の使い分けがうまく印象に残る試合が多い。伊藤秀敏五段戦では積極的に多撃必倒で攻めこんだ。福田好信三段戦では文句のつけようのない積極的な攻撃で圧倒した。中位戦の江口慶貞五段戦では初撃をつぶされたりかわされたりして連続攻撃の意欲が初撃でつぶされるケースがあった。江田哲郎戦では激しい攻撃型の江田哲郎の飛び込み順・逆上段突きが結構決まっていた。金的・順突きの対応に課題があることが分かる。総合的に山田三段の攻撃は連続技が多いので初撃をつぶされないようにしなくてはならない。また切れ味の良い江口慶貞五段、江田哲郎二段のような選手は要注意である。

 真田:中位戦では田上浩正二級、村越 巌二級、佐々木学四段、佐々木彰二級、高木宏司四段、宇一朗三段、柴田英吉二段、巣山政信二段、木津弘隆二級と戦った。上位戦では水谷正人三段、新宿支部波多裕行二段(二回)戦った。中位戦では田上浩正二級戦では受即攻技構えの田上浩正責任者に対し三重の攻撃をする。佐々木学四段戦ではお互い隙がなく一瞬ねらいが中心の試合となった。高木宏司戦では受即攻技構えから上段逆突き勝負となった。伊東 団四段戦では積極的な攻めが良かった。佐々木彰二級戦では素早い攻撃が良い。B2水谷正人戦ではカウンターを決める。木津弘隆二級戦では間合いをうまくつかみ木津弘隆二級あたらず。上位戦では水谷正人戦では上段逆突きをお互い用心した戦い。上位戦では波多裕行戦では明確な技がきまらなくなった。総合的に見て変則的な攻撃やしつこく攻撃を繰り返す相手は戦いづらいような組手が多い。苦手なタイプとの戦いにも強くなる必要がある。

 梅田聡春二段:中位戦では佐々木学四段、神前卓己二段、伊東 団四段、柴田英吉二段、高木宏司四段、石川県波多裕行二段と戦った。上位戦は今 悟二級と戦いケガをして真田宇一朗三段戦、波多 金沢支部  裕行二段戦はなかった。中位戦では梅田聡春二段は波多裕行二段、神前卓己二段、柴田英吉戦は高度な業師同士の戦いのためか激しい打ち合いはなかった。真田宇一朗三段戦では両者が右前屈立ちで受即攻技破りの互角試合であった。上位戦では今 悟戦で足を痛め中退。総合的に観て「攻撃技、複雑な受け、受即攻技」のバランスの取れた戦い方で申し分がないが、決定的な決め技が欲しい。神前卓己二段:中位戦では巣山政信二段、山田啓祐三段、梅田聡春二段、今 悟二級、田上浩正二級、坂戸支部高木宏司四段、伊藤秀敏五段と戦った。上位戦では柴田英吉二段、高木克彦初段、加藤勝一級と戦った。中位戦では巣山政信戦ではお互い似たタイプの戦い方である。上段 逆突きの喰い込みと威力がさらに欲しい。B2柴田英吉選手では両者が上段逆突き狙いの戦いであった。山田啓祐三段戦では乱打戦に弱点があり多撃の初撃止めをもう少し訓練しなくてはならない。この試合で半端に後ろに逃げたのが良くなかったかカウンターで倒されてしまった。上位戦の柴田英吉二段戦では柴田英吉選手の構えが良いので入っていけない。高木克彦戦では懐が深い高木克彦に入り込めずいた。違ったタイプの選手とこれから積極的に戦う必要があるし、上段逆突きの威力ももう少し欲しい。

 巣山政信二段:中位戦では谷山繁隆初段、福田好信三段、真田宇一朗三段、佐々木彰二級、田上浩正二新宿支部級、三好康裕二級、神前卓己二段、佐々木学四段と戦った。上位戦では山田啓祐三段、江口慶貞五段、高木克彦初段と戦った。谷山戦は戦いにくそうであった。中位戦の神前卓己二段戦では前進はするが打たれる。中位戦の真田宇一朗三段戦では新宿支部の慣れた者同士で複雑な技が出ない。内容は真田宇一朗に当てられてばかりいた。福田好信三段戦では雑な攻撃にやや戸惑った試合であった。上位戦江口慶貞五段戦では飛び込み順・逆上段突きが一発入るが今度は逆にすべてをつぶされ怒涛の攻撃を受けた。無門会空手の攻撃技のオンパレードであった。上位戦山田啓祐戦では上段逆突きがあたるものの防御が甘く変化の多い激しい突き・蹴りに弱いのが分かる結果となった。総合的にはきれいな無門会空手の動きではあるが、複雑な攻撃への対処する技術が少なく全体にさらに威力が欲しい。猫足立ち系統の練習不足、他流派経験の不足かもしれない。

 江田哲郎二段:中位戦では藤川 尚二段、水谷正人三段、田上浩正二級、伊藤秀敏五段、江口慶貞五段、大阪 佐々木学四段、木津弘隆二級と戦った。上位戦では谷山繁隆二級、高木宏司四段、佐々 神崎川支部 木学四段と戦った。Bコート選抜戦では江口慶貞五段、伊藤秀敏五段についで文句なく選抜された。中位戦では江口慶貞五段戦では江田二段の「飛び込み金的・順突き攻撃」「順突き・金的攻撃」どこまで通用するか探り合い状態の試合であった。佐々木学四段戦では江田二段の連続攻撃を用心されあまり当たらなかった。伊藤秀敏五段戦では間合いを詰められ、江田二段の飛び込み攻撃を押さえられいつものパターンができない試合であった。逆に追い突きや上段逆突きを打たれる。水谷正人三段戦では水谷三段の攻撃パターンを崩し、金的、順突き攻撃をするが水谷三段に反撃されたりしている。田上浩正二級戦では得意の連続攻撃あたらず。上位戦では佐々木学戦では得意の技が効果なし。Bコート選抜戦には文句なくナンバー3として選ばれた。総合的に観てやはり切れ味は抜群である。特に金的攻撃・順突き、飛び込み順・金的攻撃の技が優れ上位陣を崩す高度な技術になっている。今後はこの技術を起点として技を拡大していけば一層強くなっていくであろう。 江田哲郎二段==『 三 段 認 可 』

 藤川 尚二段:中位戦では高木克彦初段、田中良平二級、伊東 団四段、今 悟二級、江田哲郎二段、名古屋支部  木津弘隆二級、佐々木学四段、古川虎男二級と戦った。上位戦には参加していない。中位戦では佐々木学四段戦では両者が受即攻技構えの近い間合いでの上段逆突き攻撃の打っんたり打たれたり戦いとなった。江口慶貞五段戦では上段逆突き勝負で好感がもてる良い試合であったが下段回し蹴りから上段回し蹴りで倒される。田中良平二級戦では田中二級の動きをみんな防御し相手があまり動けないようにした良い試合であった。江田哲郎三段戦ではうまく威力のある飛び込み順・金的を防ぐ。伊東 団四段戦ではお互い即攻技構えであるがこれも結構きれいに攻撃が決まる。総合的に観て非常に総合バランスが良いが全体的に威力が不足している。

 柴田英吉二段:今 悟二級、真田宇一朗三段、梅田聡春二段、藤川 尚二段、村越 巌二級、古川虎男多摩支部二級と戦った。上位戦では神前卓己二段、山田啓祐三段と戦った。中位戦の真田宇一朗三段戦では体重の腰の入った乗った攻撃が良い。村越 巌二級戦では受即攻技が堅い村越 巌に対してチャンスを伺う戦い方であった。神前卓己戦では、互角試合となった。谷山繁隆二級戦では前半は後屈足立ちの動きになれなかったが後半は内容が俄然良くなった。つかみに強い。上位戦の神前卓己二段戦では受即攻技スタイル決まるしカウンターが打てる構えは非常に良い。もう一歩という感じ。今 悟戦では決め技がない。上位戦では山田啓祐三段戦ではカウンターを一発決め構えがしっかりして山田啓祐三段の攻撃が止まってしまった。総合的に観て二段クラスではトップに値するくらい最高の技であった。特に江口慶貞五段さえ止め切れない山田啓祐三段の怒涛の攻撃をカウンターで止め、動けないくらいにした見事な受即攻技、カウンターの構えは無門会トップクラスに値する技術であり今後さらに現在の実力を伸ばしてもらいたい。総合的に観て最高に良い動きである。 柴田英吉二段==『 三 段 認 可 』

 波多裕行二段:三好康裕二級、梅田聡春二段、藤川 尚二段、山田啓祐三段、高木宏司四段、伊藤秀敏広島支部五段、佐々木彰二級と戦った。上位戦では佐々木学四段、真田宇一朗三段(二回)戦っ責任者た。中位戦では伊藤秀敏五段戦は複雑な攻撃(連続攻撃)と複雑な受けを考えた組手。佐々木彰戦では波多二段の一方的な試合となった。梅田聡春二段戦では一瞬の狙いが正確に当たる。山田啓祐三段戦では多撃の上段逆突きを防御できない。反撃は初撃は当たるたるが二撃目が当たらず激しい連続多撃の攻撃にまだ弱点がある。上位戦の佐々木学四段戦では両者は複雑な攻撃と複雑な受けの戦い、佐々木学四段に受即攻技される。動きが良くなった真田宇一朗三段戦ではラフな攻撃を崩され、蹴りを捕まれくずされる。総合的に観て威力不足を感じるが無門会空手の基本技術だけでなく複雑な攻撃、受け、受即攻を二段クラスで一番良く考え実践している。今後の複雑な攻撃と受け技、受即攻技に期待したい。 波多裕行二段==『 三 段 認 可 』

 高木克彦初段:中位戦では三好康裕二級、佐々木学四段、田上浩正二級、伊東 団四段と戦った。上位総本部戦では高木宏司四段、内田将人二級、巣山政信二段と戦った。中位戦の伊東 団四段戦では激しい打ち合いはなかった。佐々木学四段戦では積極的に攻撃するが受け技に課題がでた。田上浩正二級戦では受け技は良いが飛び込み順・逆上段突きの二段攻撃に課題があった。上位戦の内田将人二級戦は内田選手と戦った多くの選手の中で一番良い戦いをした。猫足立ちの限界をつく試合であった。高木宏司四段戦では積極的な攻めをしたがやや受けられ決定的な攻撃力はなかった。巣山政信二段戦では相打ち多い組手となった。総合的に観て立ち方が「猫足立ち、後屈立ち、前屈立ち」と相手によって使い分けができ立ち方に応用性がある。威力不足はあるが内容の良い組手をする選手である。 高木克彦初段==『 二 段 推 薦 』

 加藤 勝一級:中位戦では今 悟二級、三好康裕二級、高木宏司四段、田中良平二級と戦った。上位戦総本部では谷山繁隆二級、木津弘隆二級、三好康裕二級、神前卓己二段と戦った。中位戦の三橋本支部好康裕二級戦では飛び込み攻撃に対して防御するが崩れてしまった。高木宏司四段戦で責任者は積極的な上段逆突きを攻撃をする、第八回躰重別大会で戦った経験が良い結果となった。今 悟戦では加藤一級の間合いで戦い本来の動きつかめた。また下段回し蹴りには強いことが分かった。上位戦谷山繁隆二級戦では応用力に弱く相手に翻弄された、谷山繁隆二級のような選手に強くならなければならない。上位戦では三好康裕二級戦では複雑な受けを使っているが良い決め技がない、また構えに強さがない。神前卓己二段戦では安定した構えになったが、右上段逆突きの威力不足が観えた。もっと迫力が欲しい。木津弘隆二級戦では同じ道場生、慣れた戦いであった。総合的に観て全体のバランスは良いが、しつこい相手への対処、一撃必倒・一撃必殺の威力がさらに欲しい。

 今 悟 二級:中位戦では波多裕行二段、藤川 尚二段、神前卓己二段、伊東 団四段、加藤 勝一級、相模原支部  柴田英吉二段、田上浩正二級と戦った。上位戦では水谷正人三段、梅田聡春二段、三好責任者康裕二級の3試合の3試合である。中位戦の伊東 団四段戦では両者間合いも遠く様子見る戦いであった。神前卓己二段戦もお互い用心し過ぎ間合いが遠すぎる戦いであった。田上浩正戦では積極的な下段回し蹴りが良い。波多裕行二段戦では下段回し蹴り、追い突きがきまる。柴田英吉二段戦では下段回し蹴りを見られ効果なし。上位戦水谷正人三段戦では水谷二段の上段逆突きの鋭い構えになかなか通用しなかったが大振り追い突き決まる。B2上位戦では梅田聡春選手が左前蹴りの際に足を自滅させる。上位戦では三好康裕二級戦では下段回し蹴りを連発するが多撃必倒できず逆に顔面もくらう。総合的にみて突き・蹴りに威力があり相手を倒せる実力があり、今後大いに期待できる選手である。 今 悟 二級==『 初 段 推 薦 』

 古川虎男二級:中位戦では柴田英吉二段、福田好信三段、藤川 尚二段、佐々木学四段、三好康裕二級川崎支部と戦った。中位戦の柴田英吉二段戦では前屈立ち姿勢が良いく積極的な攻めが良い。柴田選手戦であは相手を見ながら強い攻撃1〜2回があたる。福田好信三段戦では変化技の多い福田選手に対して、やりにくそう複雑な攻撃に弱いところがある。佐々木学四段戦では佐々木選手に動きを見られ一瞬の隙をバシバシ決められてしまった。三好康裕二級戦では雑な攻撃の最中に振り打ち気味の順突きで不覚に倒れた。総合的に観てファイトがあって攻撃力も良いが受けが弱く相手の攻撃をもらいがちなので、さらなる努力が必要である。
 三好康裕二級:中位戦では高木克彦初段、巣山政信二段、古山虎男二級、加藤 勝一級、村越 巌二級、福岡県波多裕行二段と戦った。中位戦の加藤 勝一級との戦いは間合いが遠いので飛び込み攻撃が多く決め技が不足。巣山政信二段戦では両者受即攻技構え、上段逆突きの戦いとなった。高木克初段戦では構えがしっかりして、複雑な攻撃が少なく睨みの試合となり、ややすれ違い気味の組手となった。村越 巌二級戦は似たタイプながら威力は村越 巌二級以上にある。波多裕行二段戦では構えを破られて打たれるが三好二級の反撃があった。総合的に観て良く練習し研究している試合が多い。力強さもあり構えも良い。応用力が身についたらさらに良い。 三好康裕二級==『 初 段 推 薦 』

 木津弘隆二級:中位戦では巣山政信二段、内田将人二級、伊藤秀敏五段、江口慶貞五段、江田哲郎二段、総本部水谷正人三段、藤川 尚二段、真田宇一朗三段と戦った。上位戦では加藤 勝二級、水谷正人三段、山田啓祐三段の3試合。江口慶貞五段戦では最初攻撃が相手に軽くあたるが次第に防御される。後半は激しい反撃に合い上段回し蹴りを顔面にもらう。しかし面が良いせいかすぐ起きあがる。藤川 尚二段戦ではスタンダードな受即攻構えの藤川  尚選手に対し積極的な攻撃をするが逆にカウンターをもらったりする。巣山政信二段戦では切れの良い攻撃が決まる。内田将人二級戦では積極的攻めだが一撃必倒性がないのが残念である。江田哲郎二段戦では寸止め空手経験者同士。金的・順突き攻撃同士の戦いとなった。やや攻撃が浅いのが残念。伊藤秀敏五段戦では伊藤の圧力にやや逃げ腰、順・逆上段突きに押される。構えの堅い真田宇一朗三段戦では攻めきれずにいた。上位戦では山田啓祐三段戦では最初打ったが山田三段の押しまくる攻撃にたじたじになってしまった。技は確かに決まるが寸止め空手経験の悪い癖で攻撃が浅く喰い込みある迫力が欲しい。加藤 勝一糾戦では慣れた者同士の戦いになった。水谷正人三段戦では金的攻撃から順突きの連続攻撃が決まるが頑強な構えに苦戦する。総合的に観て寸止め空手の悪い癖を早く抜ければ申し分がない

 村越 巌二級:中位戦では佐々木彰二級、梅田聡春二段、柴田英吉二段、三好康裕二級、真田宇一朗三段相模原支部と戦った。中位戦の真田宇一朗三段戦では無理をしない探り合いの戦いであった。佐々木彰二級戦ではすれ違い組手が多く一撃必倒がない。総合的に観て技に迫力が不足している。基本の練習をさらに繰り返して威力をつけてもらいたい。佐々木彰二級:高木克彦初段、村越 巌二級、波多裕行二段、巣山政信二段、伊東 団四段、田中良平総本部二級、真田宇一朗三段と戦った。上位戦では内田将人二級、高木宏司四段と戦った。さらに総合最優秀新人王決定戦では西村敏男二級と戦い、見事勝利した。上位戦田上浩正戦では両者慣れた試合。内田将人戦では打たれても打たれても前に前進し「フルコンタクト空手系」の試合のようであった。あまりよいものではない。波多裕行二段には単純で大きな動きが読まれ打たれる一方になってしまった。伊東 団四段戦では逆に積極的なドンドン攻めで圧倒した。上位戦では前に前に出ていたスタイルが変化、後ろにさがる動きも披露した。高木宏司四段戦ではやや安定した動きをしたがら受けられてしまった。総合的にみてファイトは良いが一撃必倒、一撃必殺力が不足しているのでさらに磨く必要がある。西村敏男二級との決勝戦は落ち着いた戦いで非常に良かった。

 田上浩正二級:中位戦では高木克彦初段、今 悟二級、谷山繁隆二級、江田哲郎二段、神前卓己二段、総本部内田将人二級、巣山政信二段と戦った。上位戦では佐々木彰二級、内田将人二級と戦っ橋本支部た。巣山政信二段戦では受即攻技に徹しようとする田上浩正選手構えがしっかりと堅い。真田宇一朗三段戦では激しい打ち合いはないが内容が良い。伊藤秀敏五段戦では頭ひとつ違う。構え頑丈で厳しい攻撃くらわず。伊藤秀敏五段にはやりにくい今回の試合で一番良い。谷山繁隆戦では足を痛めた。後屈立ちの前手がじゃまであった。神前卓己戦では相当足をいためた。B2中位戦では内田将人戦では足を蹴った際にひねったか足を痛めた。 上位戦佐々木彰戦では頑強な構えに佐々木彰選手もなかなか攻撃しにくい構えで構築しなかなか良かった。内田将人二級:中位戦では木津弘隆二級、山田啓祐三段、田上浩正二級、田中良平二級、佐々木学四段仙台支部と戦った。上位戦では三好康裕二級、佐々木彰二級、高木克彦初段と戦った。中位戦の山田啓祐三段戦では積極的な山田啓祐選手に圧倒されパンチ攻撃に相当苦戦した。佐々木学四段戦では用心する佐々木学四段選手にいろいろ攻撃をしかけるが決め技がない。逆に佐々木学四段も明確な追い突き逆突き以外反撃はなかった。木津弘隆二級戦では決め技が出なくやや押され気味となった。後屈立ちの谷山繁隆戦では蹴りの瞬間に顔面に振り打たれ反撃やカウンターを受けてしまった。上位戦三好康裕二級戦では歯車がかみ合わないという感じであったが蹴りからの突きパターンが良かった。上位戦田上浩正二級戦では田上二級が中位戦で左足を痛めて上位で戦ったため動きが悪いので自由に攻撃。佐々木彰二級戦では突っ込みの激しい佐々木彰選手に対して下がりながら正確に打ち込む。総合的に観て今回猫足立ち系統の良い戦いをしたが、猫足立ちだと多くの技術的課題があるので、後屈立ち、前屈立ちもマスターしなくてはならない。

 田中良平二級:中位戦では木津弘隆二級、内田将人二級、佐々木彰二級、藤川 尚二段、加藤 勝一級、福岡県伊東 団四段、高木宏司四段と戦った。上位戦はない。中位戦では伊東 団四段戦では 浅倉支部  決め技がない試合となった。やはり同じ福岡支部の三好康裕二級に構えが似て居る。加藤 勝一級との戦いはすれ違い組手となったが右手を痛めたようだ。内田将人二級戦ではやりにくい相手であったが良く戦った。佐々木彰二級戦では積極的な攻めてくる相手に合わせてうまく突きをいれる。総合的に観て三好康裕二級と同じ支部で研究しながら内容の良い練習して全国大会で実力を発揮している。まだ力量不足はあるがこれからの練習で十分補える実力がある。

 谷山繁隆二級:中位戦では巣山政信二段、高木宏司四段、田上浩正二級、水谷正人三段、柴田英吉二段、広島支部内田将人二級と戦った。上位戦では加藤 勝一級、伊藤秀敏五段、江田哲郎二段と戦った。中位戦の水谷正人三段戦では後屈立ちで構えてる。上段逆突きのコースに左手を置きいつもと違う相手に水谷正人三段もやりづらい戦いになった。懐が深く水谷三段得意の上段逆突きがきめられない試合であった。巣山政信二段戦では攻撃の機会を狙う巣山選手に対して左手で前手をつかまえ叩くように攻撃、多彩な動きは良い。構えの堅い田上浩正二級戦では右下突き(アッパー)で田上二級の受即攻技を崩した。上位戦の伊藤秀敏五段戦ではひざ蹴りや激しい突っ込みの突き・蹴りにたじたじであった。変化技も通用しない試合となり、徹底底につぶされたという内容であった。後半は試合にならなかった。江田哲郎二段戦ではスピードある江田選手の蹴りからの突きについていけない。後屈立ちからの攻撃パターンが遅く、威力ある速い攻撃の相手にはついて行けないのが残念であった。総合的に観て変則的な攻撃が中心になって前屈立ち系統の未成熟な選手には強さを発揮するが、一定以上の破壊力とスピードのある選手についていけないので技をさらに研究する必要がある。


 昇 段 認 可 
相対的基準と絶対的基準で決定する 相対的基準とは地方大会、全国大会などで多くの有段者、有級者と組手の内容を比較検討して段位を決定する。 絶対的基準とは基本技術「攻撃技、複雑な受け技、受即攻技、カウンター技」の形と威力が一定以上のレベルに達しているかどうかで決定する。
 
 昇 段 推 薦  担当指導者、師範、大会会長、会長から推薦をうける。



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